結論から言うと、中学生でも身長外来(小児内分泌外来)の受診は間に合います。身長の伸びが止まるのは、骨の成長線(骨端線)が閉じる骨年齢で男の子17歳・女の子15歳くらいが目安だからです。ただし治療が必要な「病気の低身長」はごく一部で、多くは体質によるものです。受診するときは母子手帳と学校の身体測定の記録を持っていきましょう。
「中学生 身長 伸びない 病院」「身長外来 何科」と調べる人は、もう手遅れではないか、どこに行けばよいのか、お金はどれくらいかかるのかで迷っています。中学生の子の身長が気になって、わが家でも身長外来を探しました。近くの外来はどこも半年先まで予約が埋まっていて、少し遠出して京王八王子クリニックで診てもらいました。この記事では、成長ホルモン治療の製薬会社の情報サイトや病院の公式ページで確認できたことをもとに、受診の目安・検査の流れ・費用・東京都多摩エリア近辺の受診先をまとめます。

まず結論:身長外来のポイント早見表
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 何科に行く? | 小児科の「内分泌外来」「低身長外来」「身長と思春期の外来」など。かかりつけの小児科で相談して紹介してもらうこともできる |
| 中学生でも間に合う? | 骨端線が閉じる前なら間に合う。目安は骨年齢で男の子17歳・女の子15歳くらい |
| 治療になる子は多い? | 少ない。多くは体質性・家族性の低身長や、思春期が遅いことによる一時的なもの |
| 持ち物は? | 母子手帳、学校や園の身体測定の記録(成長の記録)、保険証、医療証 |
| 費用は? | 診察・検査は保険診療。成長ホルモン治療も基準を満たせば保険が使え、助成制度もある |
| 早めに相談したいサイン | 同じ年齢の子と比べて特に小さい、1年間の伸びが急に小さくなった、成長曲線の線から下に外れてきた |
身長外来とは?何科を受診する?
身長外来は、子どもの身長の伸びや思春期の早い・遅いを診る外来です。病院によって「小児内分泌外来」「低身長外来」「身長と思春期の外来」など名前が違いますが、担当するのは小児科の中でも内分泌(ホルモン)を専門にする医師です。日本小児内分泌学会に所属している医師が担当していることが多いです。
身長の伸びには、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、思春期に出る性ホルモンなどが関わっています。身長外来では、これらのホルモンに問題がないか、身長が伸びにくい病気が隠れていないかを確かめます。
大きな病院の小児内分泌外来は、かかりつけ医からの紹介を前提にしているところが多いです。どこに行けばよいか迷ったら、まずかかりつけの小児科で成長の記録を見てもらい、必要なら紹介状を書いてもらうのが近道です。
中学生でも間に合う?身長が伸びる期間の目安
身長は、骨の端にある「骨端線(成長線)」で骨が伸びることで高くなります。ファイザーの成長ホルモン情報サイトによると、骨年齢が男の子17歳以上、女の子15歳以上になると骨端線が閉じ、身長の伸びが止まります。骨年齢は、手のレントゲン写真で調べます。
骨年齢は実際の年齢とずれることがあります。同じ中学2年生でも、骨年齢がまだ若ければ伸びる期間が残っていますし、思春期が早く来た子は骨年齢が進んでいることもあります。中学生はまだ間に合う可能性がある一方で、残り時間が短くなっていく時期でもあります。気になっているなら、様子を見るより早めに一度受診したほうが安心です。
治療が必要な低身長はごく一部
都立多摩北部医療センターの小児内分泌外来のページには、「治療が必要な病的な低身長はごくわずか」で、多くは体質性低身長、家族性低身長、思春期遅発に伴う低身長で心配ない低身長だと書かれています。
- 家族性低身長:両親の身長が低めで、子どもも同じように小柄。伸び方は順調
- 体質性の低身長・思春期遅発:思春期が来るのが周りより遅く、今は小さいが、遅れて伸びる
- 病気による低身長:成長ホルモンが足りない、甲状腺の働きが弱いなど。治療の対象になることがある
受診しても「体質なので様子を見ましょう」と言われることのほうが多いです。それでも、病気が隠れていないかを確かめられることと、骨年齢から「あとどれくらい伸びそうか」の見通しが立つことには意味があります。
受診の目安になるサイン
次のようなときは、一度相談してみる目安になります。
- 同じ年齢・性別の子の平均より、かなり小さい(医学的には平均から−2SD以下が「低身長」の目安。100人いたら前から2〜3番目くらい)
- 1年間に伸びた身長が、前の年より急に小さくなった
- 成長曲線にこれまでの身長を書き込むと、線に沿わずに下へ外れてきている
- 周りが思春期を迎えているのに、声変わりなどの変化がまだ来ていない(または逆に、小学校低学年で思春期の変化が来た)
「今の身長」だけでなく、「伸び方」が変わっていないかが大事なポイントです。学校の身体測定の記録を並べて、1年ごとにどれだけ伸びたかを見てみましょう。
受診の流れと検査の内容
1. 予約と持ち物
専門外来は予約制のところが多く、人気のクリニックは初診予約が何か月も先になることがあります。わが家の場合、近隣の外来はどこも半年先まで予約でいっぱいでした。そこで電車で少し遠出して、八王子のクリニックを受診しています。1か所だけで決めずに、近隣の病院を2〜3か所当たり、少し遠くの病院も候補に入れるのがおすすめです。
持ち物は、病院のページで次のものが案内されています。
- 母子手帳(乳幼児期の身長・体重の記録)
- 保育園・幼稚園・学校での身体測定の記録
- 健康保険証・医療証
くろさわ子ども&内科クリニック(国分寺市)や都立多摩北部医療センターのページでも、成長の記録を持ってくるよう書かれています。生まれてから今までの身長がわかると、医師が成長曲線を作って伸び方を判断できます。
2. 初診:問診・身長測定・成長曲線の確認
生まれたときの体重、これまでの病気、両親の身長、思春期の変化などを聞かれ、身長と体重を測ります。持っていった記録から成長曲線を作り、伸び方に異常がないかを見ます。
医師の説明では、成長曲線の平均から2SD以上外れていると、病気が隠れていないかを疑って詳しく調べる目安になるそうです。わが家は実際に成長曲線を描いてもらうと、まだ1年に2cmくらいは伸びていることがわかり、少しほっとしました。今の身長だけでなく、伸び方を線で見ることの大切さを実感しました。

成長曲線は、上の図のように平均の線と、そこから±1SD・±2SDの線が引かれたグラフです。見るポイントは「今どの線の近くにいるか」より「線と平行に伸びているか」。例Aのように小柄でも線に沿って伸びていれば体質のことが多く、例Bのように線を横切って下がってくるときは、伸びを妨げる原因がないか早めに相談したいサインです。成長曲線の用紙は、日本小児内分泌学会のサイトからダウンロードできます。
男の子の場合は、睾丸(精巣)の大きさで思春期がどこまで進んでいるかも確認します。「オーキドメーター」という、大きさの違う楕円形の玉を数珠のようにつないだ器具と見比べて、精巣の容量を測ります。思春期が始まると精巣が大きくなるので、身長があとどれくらい伸びそうかを考える手がかりになります。
オーキドメーターは、スイスの小児内分泌学者プラダー先生が1966年に発表した器具で、1mLから25mLまで12個ほどの玉が並んでいます。目安は次のとおりです。
- 1〜3mL:思春期前
- 4mL以上:思春期の始まり(男子で最初に現れるサイン。平均では11歳半ごろ)
- 15〜25mL:大人と同じサイズ
参考:たなか成長クリニック「思春期の性成熟と成長」(低身長を専門とする小児内分泌のクリニック。東京都世田谷区・用賀駅)では、Tanner分類と精巣の大きさの目安、思春期と身長の伸びの関係が図入りで詳しく解説されています。
男の子は思春期が始まってから2年ほどで身長の伸びがピークを迎え、その後はだんだん伸びが止まっていきます。つまり精巣がまだ小さければ伸びる時期はこれから、すでに大人のサイズなら残りの伸びは少ない、という見立てになります。中学生の子は恥ずかしがるかもしれないので、事前に「こういう診察もあるよ」と伝えておくと安心です。
この診察の雰囲気は、漫画家のコンテくんさんがX(旧Twitter)で公開しているエッセイ漫画「背が低くて大学病院に行かされた話」(全3話:1話/2話/3話)でわかりやすく描かれています。2話では大学病院の小児科での流れがそのまま描かれていて、身体測定のあとに「予測身長の計算法」を教わり、手のレントゲンで指の関節の軟骨の隙間(伸びる余地)を確認し、最後にオーキドメーターで睾丸の大きさを診るところまで出てきます。受診前に親子で読んでおくと、どんな診察なのかがわかって心の準備になりますよ。
3. 検査:血液検査・骨年齢のレントゲン
必要に応じて、血液検査(ホルモンの値や、甲状腺の働きなど)と、手のレントゲン撮影(骨年齢)を行います。
わが家は初診の日にレントゲンと血液検査まで済ませました。結果は次回の受診で説明を受けます。結果を聞くだけの次回は親だけの来院でOKと言われたので、子どもが学校を休まなくてよいのは助かりました。
4. 精密検査:成長ホルモン分泌刺激試験など
成長ホルモンが足りない可能性があるときは、薬を使って成長ホルモンの出方を調べる「分泌刺激試験」を行います。点滴をしながら時間をおいて何回か採血する検査で、半日ほどかかります。病院によっては入院して行います。必要に応じてMRIで脳下垂体を調べることもあります。精密検査は大きな病院に紹介されることもあります。
費用はどれくらい?保険と助成制度
診察や検査は保険診療です。中学生なら、お住まいの自治体の子ども医療費助成(東京都なら高校生年代まで)の対象になるので、窓口負担は少なくすみます。わが家の場合、初診で診察・レントゲン・血液検査まで受けて、窓口で払ったのは200円でした(子ども医療費助成を使った場合。自己負担の有無や金額は自治体によって違います)。
成長ホルモンの薬はとても高価で、ファイザーの情報サイトによると年間約100〜700万円(原因や体重による)かかります。ただし、診断基準を満たせば保険が使え(自己負担は6歳の3月末までは2割、それ以降は3割)、さらに次のような助成制度で負担を減らせます。
- 小児慢性特定疾病の医療費助成:成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、プラダー・ウィリ症候群、ヌーナン症候群、軟骨異栄養症、慢性腎不全による低身長などが対象。2024年4月から、助成の基準が保険診療の基準と同じになりました
- 自治体の子ども医療費助成:対象年齢の間は自己負担がさらに軽くなる
- 健康保険組合の付加給付:組合によってはある(国民健康保険・協会けんぽには無い)
なお、小児慢性特定疾病の助成は、身長が男の子156.4cm・女の子145.4cmに達したとき、または1年間に伸びる身長が一定以下(一般に3.0cm未満)になったときに対象外になります。
東京都多摩エリア近辺の身長外来・小児内分泌外来
わが家が探したときに候補にした受診先です。担当医の曜日や予約方法は変わることがあるので、受診前に必ず公式サイトか電話で確認してください。
| 病院・クリニック | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| くろさわ子ども&内科クリニック | 国分寺市本多3-7-25(042-323-9630) | 小児内分泌の診療あり。低身長・夜尿などを相談できる。母子手帳と身体測定の記録を持参 |
| 都立多摩北部医療センター 小児内分泌外来 | 東村山市青葉町1-7-1(予約 042-396-3511) | 都立病院の専門外来。かかりつけ医からの紹介が基本。成長の記録(母子手帳を含む)を持参 |
| 京王八王子クリニック 小児内分泌代謝科 | 八王子市(042-645-7878) | 京王八王子駅前のクリニックで、低身長の相談ページがある。わが家が実際に受診し、初診で成長曲線の確認・レントゲン・血液検査まで受けられた。予約・受付方法は公式サイトで確認 |
| おぎくぼ小児科 身長と思春期の外来 | 杉並区(荻窪) | 低身長・思春期早発症・思春期遅発症を専門に診る外来。院長は日本小児内分泌学会の会員 |
| たなか成長クリニック | 世田谷区用賀2-36-7(用賀駅から徒歩2分) | 低身長を中心とした小児内分泌の専門クリニック。院長は国立成育医療センターなどで長年成長ホルモン治療に携わってきた医師。初診の流れ・費用・持ち物、思春期と身長の解説ページが充実。土日祝は休診 |
近くに専門外来が見つからないときは、かかりつけの小児科に相談すると、地域の大学病院や総合病院の小児内分泌外来を紹介してもらえます。
気をつけたいこと:自費の「身長を伸ばす」治療やサプリ
「身長を伸ばす」とうたう自費診療のクリニックや、サプリメントの広告をよく見かけます。成長ホルモン治療は、検査で病気と診断された子に保険診療で行う治療です。病気ではない子に成長ホルモンを使っても、大人になったときの身長が大きく伸びるという根拠は十分ではなく、費用も高額になります。まずは保険診療の専門外来で、病気が隠れていないかを確かめるところから始めましょう。
家でできることは、よく眠ること、栄養のバランスのとれた食事、適度な運動です。特定の食品やサプリで身長が伸びるわけではありません。
まとめ
- 中学生でも、骨端線が閉じる前なら身長外来の受診は間に合う(目安は骨年齢で男の子17歳・女の子15歳くらい)
- 治療が必要な低身長はごく一部。多くは体質や思春期の遅れによるもの
- 受診は小児科の内分泌外来へ。母子手帳と学校の身体測定の記録を持っていく
- 人気の外来は半年先まで埋まっていることも。2〜3か所当たり、少し遠くも候補にするか、かかりつけ医に紹介してもらう
- 成長ホルモン治療は高額だが、基準を満たせば保険と助成制度が使える
「もう少し様子を見よう」と思っているうちに伸びる期間は短くなっていきます。気になったら、まずは成長の記録をそろえて相談してみてください。
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。お子さまの身長について心配なときは、医師にご相談ください。医療費助成の内容や病院の診療体制は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
参考:ファイザー「成長ホルモン治療の適応症と医療費助成制度」/ファイザー「成長ホルモン治療の終了」/小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン治療について」/JCRファーマ「医療費について」/都立多摩北部医療センター 小児内分泌外来